入院日額はどの程度が適正なのか?入院経験者の調査データをご紹介します。

保険の基礎知識

医療保険を検討されている方からよく、
『入院日額は一日につき、どの程度の金額が適正なのですか?』
といったご相談、ご質問を頂戴致します。

この適正額には様々な議論がありまして、
私達ファイナンシャル・プランナーの中でも意見が分かれるテーマです。

『高額療養費制度など、社会保険を併用すれば日額5,000円あれば十分では?』
『いやいや、差額ベッド代や収入減、家族や家事への負担を考慮すれば10,000円でも足りないでしょ?』
『そもそも、短期入院と長期入院では一日あたりの医療費負担、全然違いますよね?』
などと、答えの出ない議論に終始することは多々あります。

これはもしかすると(ご自身や親しいお身内の)入院経験があるプランナーと無いプランナー、
あるいは長期入院しか経験のないプランナーや、短期入院しか経験のないプランナーによって分かれるのかもしれません。

そこで、実際に入院経験をされた方々を調査したデータをご紹介してみたいと思います。

高額療養費制度とは

そのまえにひとつ、医療保険の適正な保障額を考える上で外せない制度“高額療養費制度”に触れさせて下さい。

この制度は皆さまがお持ちの健康保険証で利用できるサービスのひとつで、
医療費の自己負担額が一定限度額を超えた場合に、その超えた金額が支給されるサービスです。

その超えた金額を後で受け取ることも出来ますし、
予め手続きすることで最初から相殺した金額のみを窓口で支払う事も出来ます。

また、年齢や所得に応じて自己負担の一定限度額には違いがあります。

例えば所得区分(標準報酬月額)が28万円~50万円、70歳未満の方が3月に入院、3月中に退院。
かかった医療費が100万円だった場合の自己負担上限額は87,430円です。

入院期間が20日間だった場合は一日あたり4,372円ですし、
入院期間が7日間だった場合は一日あたり12,490円になります。

また入院が翌月にまたがった場合はそれぞれの月ごとに計算しますので、自己負担上限が異なります。

例えば3月の医療費50万円、4月も50万円かかった場合は計164,860円となります。

入院経験者調査データのご紹介

それでは具体的なデータを見ていきましょう。
生命保険文化センター・平成28年度「生活保障に関する調査」からご紹介致します。

・入院時の高額療養費制度の利用経験

まずは直近の入院に高額療養費制度を利用したかどうかの調査データをご紹介致します。

過去5年間に入院経験がある人が高額療養費制度を利用した経験がありますか?の問に、
約6割の方が『利用した』、約3割の方が『利用しなかった』と回答しています。

・入院時の自己負担費用

次に、過去5年間に入院経験がある人の自己負担費用をご紹介致します。

約4割の方が『10~20万円』で、『100万円以上』の方が4.1%となっており、平均値は22.1万円となっています。
この自己負担額には治療費のほか、食事代や差額ベッド代、交通費や衣類、日用品なども含まれています。
また、高額療養費制度を利用している場合は、制度適用後の金額です。

・入院一日あたりの自己負担費用

最後に、自己負担費用を入院日数で割った、一日あたりの自己負担費用をご紹介致します。

『10,000円~15,000円』の方が最も多く、『5,000円未満』の方は12.5%、平均値は198,000円となっています。

今回、改めてデータを眺めて驚いたのは、高額療養費制度を加味しても自己負担額が意外と大きい事です。
皆さまはこのデータをご覧になられて、どの様にお感じになられたでしょうか?

投稿者プロフィール

関
保険のライフアシスト
新潟で生まれ育ち中学校の同級生だった妻と結婚しました。
現在は3歳の息子がおり3人で楽しく暮らしています。
趣味はフットサルと家族でサイクリングに行くことです。
また最近は義父と友人と一緒に家庭菜園を始めました。
雑草だらけの空き地を借りて土を耕すことからスタートしています。
大変ですがおいしい野菜の収穫を夢見てがんばっています。

毎日仕事に集中できるのは妻のおかげで、
悩むことがあっても前向きに考えられるのは息子のおかげです。
そんな大切な家族を守る一つの手段として保険があると考えています。
家族と自分のために今できることを私と一緒に考えてみませんか?

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