保険のこと

マイナス金利ってどんなもの?

マイナス金利って、皆さんどのようなイメージでしょう?

『マイナス金利だから金利が下がった』
と理解されている方も多いのではないでしょうか?

しかし、実はマイナス金利導入の経緯にはなかなかに興味深い事情があるのです。
ここが解ると経済ニュースがぐっと理解しやすくなると思います。

銀行と日本銀行

マイナス金利を理解するためには銀行と、日本銀行の関係を知る必要があります。
日本銀行は複数の役割を担っており、その一つが『銀行の銀行』という役割です。

私たちはお金を銀行に預けますが、銀行は日本銀行にお金を預けています。
A銀行もB銀行も、それぞれ日本銀行にお金を預けています。

この事によって例えば、異なる銀行間の送金に、銀行間で現金を運搬する必要がありません。
日本銀行のなかで帳面上のやり取りをすれば済むからです。

当座預金に金利が

銀行が日本銀行に持っている口座は『当座預金』です。
当座預金は本来無利子なのですが、2008年11月以降、世界金融危機対策として日本銀行の当座預金に金利がつくようになりました。
その金利は0.1%です。

例えば日本銀行に1兆円預金すると10億円の金利が得られます。
仮に0.01%の金利で1兆円分の預金を集め、それをそのまま日本銀行へ預け得ると、9億円の利ざやを得ることが出来ます。

これによって銀行は貸し倒れリスクを気にせずに収益を得ることができるようになりました。
日銀当座預金に金利がつくようになった2008年当時、約15兆円だった日銀当座預金残高は、マイナス金利が導入された2016年にはおよそ260兆円に達しました。

仮にそのうち210兆円に0.1%の金利がつけば・・・
その金利は2,100億円にもなります。

マイナス金利政策の導入

そこで導入されたのがマイナス金利政策です。

銀行が預ける日本銀行の当座預金にマイナスの金利をかけます。
つまり銀行は日本銀行へお金を預けると、手数料を支払わなければならなくなったのです。

預ける額が大きくなれば、銀行が日本銀行に支払う手数料も大きくなります。

ですから銀行は日本銀行へお金を預けるメリットが無くなります。
そのぶん銀行から企業、個人などへ貸し付けが増えることが期待できます。

企業の設備投資が進み、住宅建設が増えることで景気の後押しを目指したのです。
(※マイナス金利の対象は10兆円~30兆円の範囲、定期的にその額を見直します。)

マイナス金利導入によって

銀行がかかえる預金の一部は日本国債の購入に向かい、国債価格の高騰に結びつきます。

国債は高値で売れるほど金利が低いことになるのですが、ついには長期国債までマイナス金利で売買されることになりました。

また、銀行がかかえる預金の一部は積極的な貸出先を求めて住宅ローン金利など、貸出金利の低下につながりました。

マイナス金利で日本銀行に預けるよりは、低利率でもローンを組んでくださる方に提供したほうが利ざやを稼げます。

導入当時、批難の声も多かったこの政策ですが、2017年上半期の新設住宅着工戸数は前年同期比2.1%増、2017年度、全産業の設備投資動向調査は前年比13.6%増となっています。

もちろんその他、様々な要素が絡んでの指標ですが、一つの参考にしていただければ幸いです。

吉田 太志

コラム執筆者プロフィール

本社 吉田 太志